前世恋人だった副社長が、甘すぎる
私がこうやって擦り寄ると、怜士さんだって本性を現す。
顔を真っ赤にして口をきゅっと結んで。
あ、照れているのかな、恥ずかしいのかな。そう思うと愛しさが溢れてくる。
愚かな私は怜士さんの張り巡らせた糸に絡め取られ、どんどん怜士さんから離れられなくなっている。
「穂花は俺の隣にいてくれれば、それでいいんだよ」
怜士さんが苦しげにそう言った時……副社長室がノックされる。
口元を歪め甘い瞳で私を見ていた怜士さんの顔から、すーっと表情が消えた。
そのまま怜士さんは
「はい」
感情のないような冷たい声で答える。
この豹変ぶりに驚くばかりだ。