前世恋人だった副社長が、甘すぎる
こうして私が無理矢理怜士さんに連行された先……それは一等地にある、小さいが豪華なブティックだった。
庶民の私はもちろんこんなところに来たことはないし、見窄らしいスーツで入るのが失礼に思う。
店主は黒いスーツをピシッと着こなしていて、まさしく紳士淑女の店なのだろう。
おまけに、
「いらっしゃいませ、黒崎様」
怜士さんはこの店の常連なのだろうか。店主は怜士さんのことを知っているし、まるで中世の貴族の家来のように頭を下げる。
そんな店主に怜士さんは告げた。
「彼女に、煌びやかなドレスを」
「かしこまりました」
こうして連れられた先は、たくさんのドレスがかかるクローゼット。
まるで前世の私の衣装室のようだった。
どのドレスも華やかで光り輝いているように見える。
私が着ても、豚に真珠だろう。