凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
「……リア……ルーリア。大丈夫か?」
「……カルロス様」
凛とした声に導かれるようにゆっくりと目を開けて捉えたカルロスの姿にルーリアは大きく安堵した後、自分の手を掴んでいるカルロスの温かな手をぼんやりと見つめた。
「うなされていたからだ」
すぐさまカルロスが手を離して気まずそうに説明すると、ようやくルーリアも触れ合っていたことに気づき、動揺したように瞳を揺らした。
頬を赤らめながら体を起こすと、窓の向こうに明るい青空が広がっているのが見え、思わずルーリアは眩しげに目を細めた。
そこでルーリアはハッとしたように自分の胸元に両手を添えた。体の中に、自分のものとは異質でいて、極めて良質な魔力があることに気づいたからだ。
「あのもしかして、私に力を与えてくださいましたか?」
「ああ。バスカイル家ほどとはいかないが、俺も光の魔力はそれなりに扱える」
「そうだったんですね。カルロス様の魔力はとても温かくて、心地いいです」
少しばかり口元を綻ばせたルーリアに、思わずカルロスは目を奪われた。すぐさま彼はそんな自分に気づいて気まずげに顔を逸らすと、ルーリアと距離を置くように窓へ歩み寄っていく。