愛しているから、結婚はお断りします~エリート御曹司は薄幸令嬢への一途愛を諦めない~【試し読み】
「あ、いた。音羽さん、先生からお話があるので、こちらにお願いします」
「はい、すぐに行きます」
私は振り返ると、早足で医師のもとに向かった。
診察室に入ると、白髪交じりの眼鏡の先生がどうぞと椅子を勧めてきた。私はそれに座りながら、どうか悪い話ではありませんようにと先生の顔色を窺う。
「音羽さん、急なことで大変でしたね。お仕事とか大丈夫ですか?」
「はい。ちょうど終わった時間だったので」
長年母の主治医をしてくれているだけあって、こちらの事情もある程度理解してくれている。私にまで気遣いを見せてくれてありがたい。
先生は優しく頷くと本題に入った。
「倒れたってことで、数日検査入院をしてもらいます。ここのところ調子がよかったのか、少し油断したのかもしれないね」
「はい」
定期的に病院に通い、薬も飲んでいた。しかしそれだけではダメだったということに多少のショックを受ける。
しかし医師から私はもっと厳しい現実を突きつけられた。
「ただ……今後お母さんの体は劇的に快方に向かうということはないでしょう。今後も今日のような発作が起こる可能性が高いです。ですからどうでしょうか、施設などご検討されては」
「施設ですか……」
「はい。今回の発作は外出先でのことで、お店の人がすぐに救急車を呼んでくれて事なきを得ましたが、ご自宅でひとりお過ごしの時に発作か出たら危ないです」
医師の言う通りだ。
「今後も、こういうことがあるということですか?」
「……それは難しい質問ですね」
医師としても可能性の話をしているのはわかっていても、聞いてしまった。明日母の体がどうなるのかは、断言できなくて当たり前だ。
「今なら、こちらから何軒が紹介できそうなんです。もちろん費用のこともありますので、ご親類の方と相談してください」
「わかりました。ありがとうございます」
「はい、すぐに行きます」
私は振り返ると、早足で医師のもとに向かった。
診察室に入ると、白髪交じりの眼鏡の先生がどうぞと椅子を勧めてきた。私はそれに座りながら、どうか悪い話ではありませんようにと先生の顔色を窺う。
「音羽さん、急なことで大変でしたね。お仕事とか大丈夫ですか?」
「はい。ちょうど終わった時間だったので」
長年母の主治医をしてくれているだけあって、こちらの事情もある程度理解してくれている。私にまで気遣いを見せてくれてありがたい。
先生は優しく頷くと本題に入った。
「倒れたってことで、数日検査入院をしてもらいます。ここのところ調子がよかったのか、少し油断したのかもしれないね」
「はい」
定期的に病院に通い、薬も飲んでいた。しかしそれだけではダメだったということに多少のショックを受ける。
しかし医師から私はもっと厳しい現実を突きつけられた。
「ただ……今後お母さんの体は劇的に快方に向かうということはないでしょう。今後も今日のような発作が起こる可能性が高いです。ですからどうでしょうか、施設などご検討されては」
「施設ですか……」
「はい。今回の発作は外出先でのことで、お店の人がすぐに救急車を呼んでくれて事なきを得ましたが、ご自宅でひとりお過ごしの時に発作か出たら危ないです」
医師の言う通りだ。
「今後も、こういうことがあるということですか?」
「……それは難しい質問ですね」
医師としても可能性の話をしているのはわかっていても、聞いてしまった。明日母の体がどうなるのかは、断言できなくて当たり前だ。
「今なら、こちらから何軒が紹介できそうなんです。もちろん費用のこともありますので、ご親類の方と相談してください」
「わかりました。ありがとうございます」