運命の人

 「私で良ければお付き合いしてください。お願いします」

 「そんなの…いいに決まってるだろう」

 如月さんはそう言うと私の体を抱き寄せ、きつく抱き締めた。

 「あ、あの、待って。ここ、コンビニ」

 感動的なシーンでもどこか冷静な頭が、ここは誰もが使うコンビニで人目があるぞ、と警告していた。
 如月さんはそれを分かってくれたようですぐに体を離してくれた。

 「ごめん。でも今の本気にするよ?」

 「はい。大丈夫です。女に二言はありませんから」

 でも言って急に恥ずかしくなってきた。

 「顔、真っ赤だよ」

 俯く私の頬に、如月さんがそっと触れる。
 触れられたところが熱を帯びるのがはっきりとわかった。

 「可愛いね。本当に可愛い」

 「そういうのは言われ慣れていないので。あまり言わないでほしいです」

 如月さんの手を押し戻すように手を出すと、しっかり握られた。

 「慣れて。俺、多分これから飽きるほど「可愛い」って言うから」

 「そういうタイプの方なんですか?」

 聞くと如月さんはフッと小さく笑ってから首を横に振った。
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