運命の人
「『なに考えてるのかわからない』『好きって言ってほしかった』って言われてフラれてきた」
「そうなんですか?」
「うん。でも樋口さんは全然違う。可愛い、好きだよ、って言いたいし、どんな願いでも叶えてあげたい。出来ることならずっとそばにいたいし、今だって抱き締めてキスしたい」
「えぇ?!」
信じるとは言ったけど、展開が早い上に綺麗な顔立ちから放たれる甘い言葉の数々に頭が混乱する。
「ちょっとクールダウンしましょう。飲み物を買って来ていいですか?」
提案すると、如月さんが困ったように微笑んだ。
「残念。でもそうだね。初めてのキスがコンビニじゃ様にならない。いいよ、飲み物買ってくる。なにがいい?」
「冷たいほうじ茶をお願いします」
「分かった」
如月さんは笑顔を残して買いに出て行った。
残された私はドキドキと早く打ちつけている鼓動を抑えるために胸元に手を当てて今までのやりとりを振り返る。
そしてさらに鼓動を早めてしまうのだからどうしようもない。
恋愛をもっとたくさん経験しておけばこんな時に落ち着いていられただろうに。
気持ちの赴くまま付き合うことに決めたけど、果たして私は如月さんの彼女として上手くやっていけるのだろうか。
一抹の不安が過ぎる。
でも如月さんのことをもっと知りたい。
もっと近づきたい。
与えてくれる愛情と同じくらい返したい。
私に出来ることってなんだろう。