私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】
「そう。それで、大事な話ってなんなの?」


 私は階段の途中で足を止めて、まるで何も感じていないかのように冷静にそう問いかける。
 その質問で覚悟を決めたのか、フェリクスが真っ直ぐに私を見つめ返してきた。

 綺麗な黄金色の瞳に見つめられて、心臓がドキッと跳ねる。


「アリエル。その……」



 ……嫌。



「急な話で悪いが……」



 嫌。それ以上言わないで。



「俺達、婚約を解消しないか?」

「…………っ!」



 聞きたくない!
 


 目をギュッとつぶり、その場から離れようと勝手に足が動いた──が、少し後ろに下がってしまったために階段から足を踏み外してしまった。
 体が後ろにゆっくりと倒れていく。



 あ……落ちる。
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