狂愛〜虎を照らす月〜
風呂から上がって、深月は朔が用意した着物に着替えた。

親父に会うためのケジメとして。

それにしても綺麗すぎる。


さっきまでピーピー言っていたが、着物を着てスッカリ気持ちを切り替えたようだ。

顔つきが変わった。

こいつは、昨日の車でもそうだった。
久しぶりに、女の極道を見せられて、正直痺れた。

本当にさすがだと思った。


一切こっちのしのぎには関わってないようだが、それでも極道で生まれ育っただけあるなと思うような立派な挨拶だった。


「親父。岳です」


「入れ」


「失礼します」

深月も後ろをついてくる。


そして、2人親父の前に並んで座った。


「親父。紹介する。濱田深月だ。俺の女だ」


深月は、座布団をずらして三つ指を立て頭を下げる。
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