狂愛〜虎を照らす月〜
俺は、やってしまったのかもしれない。
てっきり、運転したいなんて言うから、慣れてるもんだと思っていた。

「濱田では、何で運転してなかったんだ?」


「え?なんか、免許とった時、パパと雅也と拓磨乗せてドライブ行ったんだけど、それっきり車貸してくれなかったんだよねー」


おいおい。
激しく身の危険をかんじるんだが!?


「そ、そなの?んじゃ、何かあったら、俺すぐに運転変わりますね!?」
朔が後ろから声をかける。


「大丈夫大丈夫!無事故無違反だから!」


そりゃペーパーなら、勝手にそうなるんだよ深月。


「はははは!んじゃ、どうか安全運転で頼むな?」
陸が念を込めて深月に言う。


「兄貴。席変わる?」
朔が窓側の後ろからそっと俺に耳打ちする。


「いや。大丈夫だ。たぶん。信じてみよう」
自分に言い聞かせるように返事をした。


「え?なぁに?」


「何でもない。深月、ゆっくりでいいからな。何時間かかってもいいから」
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