狂愛〜虎を照らす月〜
「あはは!大丈夫だって!庭でも練習したから!!」

そ、そうだよな?
とりあえず、ぶつけたり擦ったりもしてないみたいだしな。


「よし。それじゃ出発だ」


「おー!!」
そう言うと、深月は勢いよく庭をすり抜け、門を出た。


え?

俺達は、意外とハンドル捌きもちゃんとしていて、意表を突かれた。

まぁ、ちょっとだけ勢いはいいみたいだな。

そして手前の信号が赤信号になった。

深月はまだブレーキを踏まない。

おい。赤だぞ?
ブレーキは?
おいおいおいおい!

そして、キッと止まった。

あっぶな。
みんなおんなじ動きで、頭をヘッドレストにぶつけた。

「み、深月ちゃん?」
陸が顔を出した。


「ブ、ブレーキ、大丈夫そ?」


「え?大丈夫です!!絶好調です!!
超楽しい!!」


「あ、あそう!そりゃ良かった」
陸はまたそう言って引っ込んだ。

だよな。
なんも言えねぇよな。

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