狂愛〜虎を照らす月〜
「大丈夫だから。下がってて」
私は、ドア越しに低い声をだした。
私からあまりにも冷たい声が出て、3人はさすがにドアを叩くのをやめた。
「大丈夫だから。行って」
私はもう一度言った。
そして、ゆっくり振り向き、いつの間にかすっかり陽も落ちて、月明かりが僅かに差し込む部屋を見る。
ツンと鼻に血の匂いを感じる。
ガランとして何もない部屋。
そして、隅にベッドが置いてあり、そこに岳は下を向いて、膝に肘を乗せて静かに座っていた。
「何してる」
岳から、地を這うような冷たく低い声が放たれる。
私はゆっくりと近く。
そして、岳の前にひざまづいた。
岳は僅かに顔を上げる。
「見んな。でてけ。今すぐに」
何それ。
そんな低い声で言ったって、全然怖くない。
だって、岳の瞳が、、、
私を抱きたいって言ってる。
私を愛してるって言ってる。