狂愛〜虎を照らす月〜
深月の目の下には、うっすらと隈ができていた。

あんまり寝れてなかったんだな。


心配かけちまった。


ここ最近、忙しかったからな。
それに、中途半端にアドレナリンが出てたから、深月を抱くにも、抱けなかった。

どこでスイッチが入って暴走するかわからなかったから。


はぁ。
深月は何も言わなかったけど、やっぱり不安だったよな。


悪い事をした。


深月は、組で何か起こってると察して、何も言わずに、ヨガも休んで外出も控えてくれていた。


さすがだと思った。


おかげで、こっちの仕事に集中できた。

予定では、今回俺はいつも通り、仕置きには入らないはずだった。


しかし、朝方眠りについたと思えば急に親父に呼ばれ、入れと言われた。

親父も、相当頭にきていたようだ。

俺を出す時は、最終兵器に近い。


深月に、挨拶もできなかった。

深月が、見送りを大切にしていたのはわかっていたのに。

俺もだから。

クソッ
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