狂愛〜虎を照らす月〜



「田崎は、俺と同い年で大学が一緒だったんだ。学生の時だけ、家に住んでた」
とまた、耳打ちする。

なるほど。ほうほうと、言ってるみたいに
深月は頷いた。


「ゆっくり楽しんで行ってくださいね」


「はい!ありがとうございます」

そう言って田崎はまた、人混みに消えていった。


「田崎は、この企業の代表なんだ」
表向きはな。


「てことは、今日の主催者?」


「そういう事」


それからは、色んな人がやっと挨拶にきたりして、一体深月は何回自己紹介したかわからないくらいだ。

その間も、少しの距離を置いて、陸と朔もついてくる。


深月、疲れてないだろうか?
俺はまぁ、慣れているからいいけど。


組の関係の時はそっと耳打ちで深月に教えてやる。

深月はその度に、なるほど!という顔をして、ちょっとは楽しそうだ。


それにしても、全くと言っていい程食事が取れない。
まさかなとは思ったけど、やっぱりだった。
< 222 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop