狂愛〜虎を照らす月〜
「田崎は、俺と同い年で大学が一緒だったんだ。学生の時だけ、家に住んでた」
とまた、耳打ちする。
なるほど。ほうほうと、言ってるみたいに
深月は頷いた。
「ゆっくり楽しんで行ってくださいね」
「はい!ありがとうございます」
そう言って田崎はまた、人混みに消えていった。
「田崎は、この企業の代表なんだ」
表向きはな。
「てことは、今日の主催者?」
「そういう事」
それからは、色んな人がやっと挨拶にきたりして、一体深月は何回自己紹介したかわからないくらいだ。
その間も、少しの距離を置いて、陸と朔もついてくる。
深月、疲れてないだろうか?
俺はまぁ、慣れているからいいけど。
組の関係の時はそっと耳打ちで深月に教えてやる。
深月はその度に、なるほど!という顔をして、ちょっとは楽しそうだ。
それにしても、全くと言っていい程食事が取れない。
まさかなとは思ったけど、やっぱりだった。