狂愛〜虎を照らす月〜
「愛おしくてたまらない」


そう言って岳は身体を起こして、私を見つめ、ゆっくりとキスを落とした。

「こんなに逞しい女、他にはいない」

私を愛おしそうな顔で見下ろしながら、腕枕をしていない方の手で、私の顔にかかる髪をスルッと耳にかける。


その仕草がまた私をドキドキさせる。


岳を見上げたその先には、窓から見える丸い月が浮かんでいるのが見えた。


月明かりに照らされた私を見て、岳の瞳は、更に熱さを増した。


逆光で、岳の顔は影になっているのに、ギラつく瞳が光って見える。


まるで、岳の背中の虎のように。


私はこの瞳に見つめられると、何も出来なくなる。

されるがままに服を脱がされ、月明かりで私はきっと、丸見えだろう。
恥ずかしい。


それでも、私だけを見て。
と思ってしまう。

何度見つめあっても、ドキドキと速くなる鼓動。



「深月。俺がほしいか?」



低く、艶のある声で囁かれれば、私は思わず頷いてしまう。
もうすでに、さんざん抱き合ったのに。


岳。
私の岳。


私も、愛おしくてたまらない。


ひとつになりたい。
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