パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 しかし、彼女はその決断をしたのだ。それは贖罪の意味もあるかもしれないし、もしかしたら恭弥さんのそばにいることが辛いのかもしれない。
 
 それを今、彼の前で問う意味はないだろう。

 彼女のやったことを笑って許せるほど、私も強くない。ましてや普通にまた笑いあうことは難しい。
 でも、さやかさんが不幸になることなど、願っていない。


「お元気で」
 私も静かに頭を下げると、さやかさんは綺麗な笑みを浮かべた。

 最後、一瞬さやかさんは恭弥さんに視線を向けた気がするが、一度踵を返すと振り返ることはなかった。

 その背中を見送っていると、「行こう」と恭弥さんの声が聞こえた。
「はい」

 私たちは顔を見合わせると笑顔で、披露宴会場へと戻った。



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