パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 恭弥さんにとって、あの夜は忘れたいはずだ。好きでもない人、弟を騙す最低な女との忘れたい過去のはずだ。そこでの過ちでできた子供と母親のことなどもうほっておいてくれればいい。

「どうして? 恭弥さんは私たちのことなんて忘れたいでしょ? 責任を感じなくていいです」
 少し強めに彼の胸をおして、距離を取り背を向ける。

「私なんてただ一夜の遊びの女でしょう? 弥生に会いたいのなら会えばいい……」
 そこまで言ったところで、今度は後ろから抱きしめられた。

「恭弥さん!」

 息ができないほど強く抱きしめられて、頭の中は混乱するし、胸は痛いほど切なくて締め付けられる。

「違う」
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