パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない！～内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました～

　そして、再会してこんな少しの時間しか一緒にいないのに、嫌になるほど私は彼のことを意識して、こうして抱きしめられるだけで息が止まりそうなほど、彼を意識してしまっている。
　こんな感情は母親になってからずっと忘れていて、心の中はぐちゃぐちゃだ。
　気づけば涙がボロボロと零れ落ちていて、それが恭弥さんの手を濡らしていく。
　そこで彼も私が泣いていることに気づいたようで、ハッとして私を離す。
距離を取り、私の正面へ回る彼。
気づかないうちに、唇から血が出るほどかみしめてその辛い思いに耐えていると、そっと躊躇気味に彼の指が私の唇に触れた。
「噛むのはやめろ。血が出てる」
「ツっ」