君に、振り向いてほしいから
「朝陽、ありがと〜」

すずなが顔の前で手を合わせる。

まだこちらを伺っているファンはいるけど……。

せっかくななほちゃんもいるから、楽しんじゃおう!

ま、ファンが多いのは仕方ないよね。

『すず』と『なな』はYouTubeもやっていて、登録者数は百万人ごえ。

超がつくほど有名だ。

ライブ……はしてないけど、したらすごく人が来ると思う。

すずなとななほちゃんと買い物を終え、フードコートに入った。

席に座っていちごシェークを飲んでいたすずなが、身を乗り出してくる。

「あ、そうだ!すず、これ一番聞きたかったの。朝陽、あのnightに勧誘されたの?」

「え、うん……。そんなに有名なの?」

オレンジジュースを飲んでいたななほちゃんが目を見開く。

なんか変なこと聞いたかな……?

持っていたコーラのカップの中の氷が音を立てる。

すずなは一口シェークを飲み、真っ直ぐに私を見つめた。

「有名だよ。少なくとも、すずの職場のモデルたちと私の友達が知ってるくらいには」

「ななも知ってるよ。よく、nightを見たってツイートあるもん」

そんなに、有名だったんだ……。

でも、nightはあくまでも満珠学園内の組織。

お兄ちゃんの話を聞く限り、Luciferという組織もあるらしい。

「凄いよね、朝陽は。nightのking直々に勧誘されたんだから」
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