君に、振り向いてほしいから
「ソラ」

ソラは髪をかきあげると、ちらりとすずなを見た。

「アイドルグループ!?」

連れて行かれた教室で、すずなが大声をあげた。

対するソラ……池宮宙は、何事もないかのように平然と頷いた。

「僕のマネージャーが提案してくれたんだ。すずちゃんとななちゃんとカナタくんでアイドルグループ組んでみたら?って」

カナタって人も、人気モデルらしい。

すずなは戸惑ったように宙を見つめた。

「でも、宙と私は同い年だけど、ななは一個下、カナタさんに関しては、今、高一でしょ?」

「カナタにはもうOKされてるんだ。あとはすずとななちゃんだけなんだよね」

「それなら、ここにいる朝陽をななほと入れ替えたい!大事な妹の未来を奪いたくないもの」

私は奪われてもいいのかな?

にしても……。

すずなと宙、意外とお似合い?

モデル同士だからかな。

不意に、宙が私を見た。

「朝陽ちゃん、で良いのかな?朝陽ちゃんは、モデルとかやってないよね?」

「はい」

「じゃあ、悪いけど無理だね。一般人とモデルがアイドルグループ組むなんてあり得ない」

すずなが俯いたとき、教室の戸ががらりと開いた。

「宙くん、だったかな?一般人とモデルがグループ組むのがあり得ないなら、一般枠つくりなよ」

「貴方の言っていることが、炎上案件ですよ」
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