君に、振り向いてほしいから
お願い……。

波さんは目を開けると、覚悟を決めたように私を見た。

「……分かりました。Luciferとして、参加してください」

やった!

私は仮面を取り、波さんに向かって微笑んだ。

「ありがとうございます、波さん!」

波さんがぽかんと口を開ける。

その表情が可愛くて、にこにこと彼を見つめ返した。

「瑠花ちゃんが、リル……?」

状況を理解した様子の凪先輩が、小さく呟いた。

「そうです。今まで騙しててごめんなさい。二週間後、頑張りましょう」

わぁっと集会所内が盛り上がる。

慌てたように、月紀と陽暉、椿、柊、樹が駆け寄ってきた。

波さんは集まってきたメンバーを見て、驚いたように眉を上げた。

「瑠花、こいつらもcosmosか?」

「はい。月紀と陽暉は幹部メンバーなんですが、椿たちは、璃空にいたちが抜けた分、臨時で幹部になってもらったんです」

璃空にいたちが抜けたあと、幹部に上がってくるのは恐らく椿たち。

私達より上の学年で強い人は、『上層部(じょうそうぶ)』として幹部と同じようなことをしてもらうつもり。

正直、翠さんたちを幹部に入れるか、上層部に入れるかは悩んだんだけど……。

本人の希望で、幹部になった。

この戦いが終わったら、上層部に入ってもらうつもり。

「瑠花、上層部のことは言ってない?」
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