君に、振り向いてほしいから
椿が心配そうに耳打ちしてきた。

小さく頷くと、彼は安心したように微笑み、柊の横へ戻っていった。

上層部にはもうメンバーがいるけど、まだ喧嘩には出していない。

リルとアクアの正体と同じように、上層部の存在はトップシークレット。

今回の喧嘩には上層部も出てもらうつもり。

上層部のメンバーは、過去に伝説にもなった凄い方たち。

『滞空のヒロ』こと藤宮裕(ふじみや ひろ)さん、『怪力のタク』こと黒木拓武(くろき たくむ)さん、『神出鬼没のレイ』こと白城怜(しらぎ れい)さんの三人。

三人は暴走族を組んでいて、今はもう解散したんだけど、今でも暴走族会のトップ3として君臨している。

裕さんは対空時間が長くて、ジャンプ力も高い。拓武さんはとにかく力が強くて、一気に何人も持ち上げられる。怜さんは動きが速くて、あっという間に何十人も倒してしまう。

どうして伝説の三人がcosmosに入ってくれたのかは分からないけど、とにかく連絡しなきゃ。

私はそっと生徒会寮を出て、満珠学園の敷地を出た。

cosmosの上層部は、マンションのワンフロアにみんなで暮らしている。

マンションに着くと、フロアにある待合所の椅子に座った。

このマンションはちょっと特殊で、そこのフロアに住んでいる人しか待合所を使えない。

「あ、瑠花。久しぶりだね」

「お久しぶりです、裕さん、拓武さん、怜さん」

上層部は三人しかいないから、これで全員揃った。

「連絡させていただいたとおり、二週間後、Luciferと一緒にnightともめます。近くに住んでいるcosmosメンバーは、全員参加させたくて。上層部も参加してほしいです」
< 68 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop