100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
怒るのではなく解決に向けて指示してくれた彼に頼もしさを感じ、いくらか冷静さを取り戻した。
おかげで震えは止まったが、締めつけられるように胸が痛い。
整備士になって五年ほど、予期せぬアクシデントに慌てた経験は何度かある。
それらは和葉のミスではなかったため罪悪感はなかったが、今回は自責の念に押しつぶされそうだ。
しかし泣いている場合ではないと血がにじむほど唇を噛み、キャビンに駆け戻ると美玲を探して事情を説明した。
「五十嵐さんが今、機長と本部に連絡してくれています。クルーと整備士でキャビン内を探すよう指示を受けました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。どうか探すのにご協力をお願いします」
「わかりました」
すぐにCAを集め、手分けして探すよう指示をしてくれた美玲だが、和葉に向けられた視線には以前のような優しさはない。
(美玲さんに睨まれた。でもそうなるのは当然。搭乗開始時間が迫っているのに、ドライバー探しをさせているんだから)
非難を口にしない美玲とは違い、嶺谷には詰め寄られる。
「自分の仕事道具もまともに管理できないの? 調子にのってるからそんなミスをするのよ」
「嶺谷さん、やめて。責めている時間はないのよ。なんとしても見つけないと」
「皆さん、本当に申し訳ございません。どうかよろしくお願いします」
外にいる整備士にも無線で連絡し、総勢二十人で機内を捜索する。
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