100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
まだ肉を焼き始めていないのに缶ビールを開けた父が、今まで見たことのない照れ顔を五十嵐に向けている。
「こんなに娘を褒めてくれたのは五十嵐さんが初めてだ。大事にしてもらって和葉は幸せ者さー。パイロットは大変な仕事なんだろ? 和葉もしっかりと支えてあげなさい」
耳まで赤いのはビールのせいではないだろう。
父は酒豪と言ってもいいほど飲むので、缶ビール数口で酔うはずがない。
(おとーがめちゃくちゃ恥ずかしそう。私のこと、どんなふうに褒めたの? うちの家族の心をがっちり掴んだようだけど、来月には婚約解消するんだよ。ショックを与えないためにも、どうにかしてごまかさないと)
「待って、みんな聞いて。交際中だけど、まだつき合いたてだから――」
結婚は考えになく期待しないでと言おうとしたら、それを遮るように美月に耳元で叫ばれた。
「ねーねーの嘘つき!」
「えっ、なんで?」
「彼氏はいないって言ったのに、本当はかっこいいパイロットとつき合っているなんてズルい。私、自分のことすっごい自慢して恥ずかしいさー!」
姉妹喧嘩はここ数年していない。
子供の頃のように力いっぱい抗議してくる妹に面食らい、咄嗟に言い訳する。
「嘘はついてない。五十嵐さんは彼氏じゃなく婚約者だから」
(あっ、しまった)
ごまかすはずが家族の前で婚約宣言してしまい、引き返し方がわからずうろたえる。
「こんなに娘を褒めてくれたのは五十嵐さんが初めてだ。大事にしてもらって和葉は幸せ者さー。パイロットは大変な仕事なんだろ? 和葉もしっかりと支えてあげなさい」
耳まで赤いのはビールのせいではないだろう。
父は酒豪と言ってもいいほど飲むので、缶ビール数口で酔うはずがない。
(おとーがめちゃくちゃ恥ずかしそう。私のこと、どんなふうに褒めたの? うちの家族の心をがっちり掴んだようだけど、来月には婚約解消するんだよ。ショックを与えないためにも、どうにかしてごまかさないと)
「待って、みんな聞いて。交際中だけど、まだつき合いたてだから――」
結婚は考えになく期待しないでと言おうとしたら、それを遮るように美月に耳元で叫ばれた。
「ねーねーの嘘つき!」
「えっ、なんで?」
「彼氏はいないって言ったのに、本当はかっこいいパイロットとつき合っているなんてズルい。私、自分のことすっごい自慢して恥ずかしいさー!」
姉妹喧嘩はここ数年していない。
子供の頃のように力いっぱい抗議してくる妹に面食らい、咄嗟に言い訳する。
「嘘はついてない。五十嵐さんは彼氏じゃなく婚約者だから」
(あっ、しまった)
ごまかすはずが家族の前で婚約宣言してしまい、引き返し方がわからずうろたえる。