100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
しかし諦めてくれる御子柴ではないとわかっているので、仕方なく白状した。
「婚約指輪はまだ贈っていません」
「お前、それはダメだろ。雑に扱っているとフラれるぞ。自分に限ってそれはないと思うなら、とんだ間抜け天狗だ」
あげたくないわけではなく、期限がきたら婚約解消すると言い張っている今の段階で渡しても受け取ってくれないと思うからだ。
婚約指輪を贈るのは、和葉の心を掴んでからにしたい。
一緒にランチができるだけで嬉しそうにしていたのでその日が近い気はするが、航空機以上に好かれている自信はなかった。
その話題には触れるなという気持ちで黙っているのに、御子柴は構わず続ける。
「喜ばないと決めつけるなよ。俺が初めて妻に指輪を贈った時を思い出すな。感極まって泣き出して、それは可愛かった。結婚して十年経つとあの頃のか弱さがどこへ行ったのかというほど強い性格になったが……いや、それも含めて今も可愛い。お前が結婚したら夫婦関係を良好に保つための秘策も――」
「キャプテン、レーダーに積乱雲の反応があります」
「おい、俺のアドバイスは無視か?」
「揺れを最小限にするために東に回避すべきと考えます。管制に進路変更を連絡しますか?」
「可愛くないやつだ」
長いつき合いなので、それがゴーサインだとわかっている。
「ラジャー。ベルト着用サインも出します」
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