100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
管制官と無線でやり取りし、その後はキャビンクルーに揺れの予想を伝え、乗客にもアナウンスした。
操縦桿を操り東へと進路を取る御子柴が、二度目の舌打ちをする。
「少しは間違った意見を言ってみろ。指導のしがいがないだろ」
「ありがとうございます」
面倒な褒め方はいらないと思うが、それが御子柴の気遣いなのはわかっている。
副操縦士が緊張せずに実力を出せるよう、笑わせようとしてくれるのだ。
残念ながら、一度も面白いと感じたことはないが。
「羽田周辺の天候は問題ないな。可愛くないお前にここから先の操縦を任せる。ランディングはマニュアルで。ユーハブ コントロール」
「アイハブ コントロール」
操縦を代わる時には必ずそれを言うのが決まりである。
中には副操縦士を信用せず操縦を任せてくれない機長もいるが、御子柴は状況と実力を見て後輩パイロットに操縦桿を握らせてくれる。
からかい好きで面倒くさい会話運びをする上司を、訓練生だった時からずっと変わらず信頼していられるのは、育てようという愛情が伝わるからだ。
予定より七分遅れて羽田に着陸し、ふたりの機長とのブリーフィングと報告書の提出をすませて乗員室を出た。
あとは着替えて帰宅するだけなのだが、更衣室前を素通りして階段を下りる。
和葉は今頃、駐機場か格納庫にいるはずだ。
自宅で待っていても明朝には夜勤明けの彼女に会えるというのに、無性に顔が見たかった。
操縦桿を操り東へと進路を取る御子柴が、二度目の舌打ちをする。
「少しは間違った意見を言ってみろ。指導のしがいがないだろ」
「ありがとうございます」
面倒な褒め方はいらないと思うが、それが御子柴の気遣いなのはわかっている。
副操縦士が緊張せずに実力を出せるよう、笑わせようとしてくれるのだ。
残念ながら、一度も面白いと感じたことはないが。
「羽田周辺の天候は問題ないな。可愛くないお前にここから先の操縦を任せる。ランディングはマニュアルで。ユーハブ コントロール」
「アイハブ コントロール」
操縦を代わる時には必ずそれを言うのが決まりである。
中には副操縦士を信用せず操縦を任せてくれない機長もいるが、御子柴は状況と実力を見て後輩パイロットに操縦桿を握らせてくれる。
からかい好きで面倒くさい会話運びをする上司を、訓練生だった時からずっと変わらず信頼していられるのは、育てようという愛情が伝わるからだ。
予定より七分遅れて羽田に着陸し、ふたりの機長とのブリーフィングと報告書の提出をすませて乗員室を出た。
あとは着替えて帰宅するだけなのだが、更衣室前を素通りして階段を下りる。
和葉は今頃、駐機場か格納庫にいるはずだ。
自宅で待っていても明朝には夜勤明けの彼女に会えるというのに、無性に顔が見たかった。