100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
嬉しさと恥ずかしさでうつむくと、顎をすくわれて上を向かされた。
「俺から目を逸らすな」
大人の色気を醸す瞳に映るのは、胸を高鳴らせた自分の顔。
それを目にした瞬間に唇を奪われ、心臓が大きく波打った。
最初は優しく、押しあてるようなキスは、やがて唇を割って深くまで味わわれる。
「んっ」
これが人生初めてのキス。
どうやって息継ぎしていいのかわからないほど無知なのに、気持ちよくて次第に体が火照りだす。
(このままずっと、こうしていたい……)
上限知らずに加速する動悸が苦しくても、夢中で唇を重ねる。
しかし数秒して唇が離されると、ハッと我に返った。
(今、めちゃくちゃ女の顔になっていた。恥ずかしすぎる)
うつむき加減に目を泳がせていると、手を取られた。
「このまま照れている姿を見ていたいが、もうひとつやることがある」
「やること?」
繋がれている手を引っ張られ、リビングを出た。
連れていかれたのは彼の寝室で、廊下から伸びる光の先にはベッドがあり、たちまち慌てる。
(やることって、つまりその、あれのこと!?)
たった今、ファーストキスで心臓を激しく波打たせたばかりだ。
人生初が短時間で続くと心が持たない。
「あ、あの、嫌ではないんですけど、ベッドに誘うのは別の日にしてもらえると助かるんですが……」
後ずさりながら断ると、壁際のライティングデスクの照明をつけた彼が苦笑する。
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