100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
息子を失った母親の気持ちを想像し、胸が締めつけられるように痛んだ。
彼が泣いていないのだからと涙をこらえていると、隣で彼が小さく嘆息した。
なにかを決意したような目を向けられ、緊張して背筋が伸びる。
「これを言うと幻滅されるかもしれないが」
前置きのあとに重たい声が響く。
「どうしたら母が回復するだろうと考えて、俺は兄の代わりにコックピットクルーを目指した」
もう一度、母親に希望と夢を持ってもらいたかったのだと彼が言った。
これまでに何度かパイロットになった動機を聞こうとして失敗してきた。
やっと教えてもらった理由がズシリと胸に沈む。
「なりたくてなったわけではない、ということですか?」
恐る恐る問うと、バツが悪そうな顔をされる。
「なりたくなかったわけでもないが、まぁそうだ。他に目指していた職業はなく、兄の夢を継ぎたいという気持ちだけでコックピットクルーになった。初めて空を飛んだ時、訓練生の仲間は皆、興奮して楽しそうだった。夢が叶ったと喜んでいたな。俺はその気持ちを味わえない。今でも思う。同じ空を飛んでいても、俺だけ景色がくすんで見えているんだろうと」
どうにもできない欠点だと思っていそうな低い声。パイロットになった時から今までずっと悩んできたのが伝わり、和葉の胸も苦しくなった。
『君のようになりたいと憧れている』
『羨ましいな。バカがつくほど航空機を好きになれるのが』
彼が泣いていないのだからと涙をこらえていると、隣で彼が小さく嘆息した。
なにかを決意したような目を向けられ、緊張して背筋が伸びる。
「これを言うと幻滅されるかもしれないが」
前置きのあとに重たい声が響く。
「どうしたら母が回復するだろうと考えて、俺は兄の代わりにコックピットクルーを目指した」
もう一度、母親に希望と夢を持ってもらいたかったのだと彼が言った。
これまでに何度かパイロットになった動機を聞こうとして失敗してきた。
やっと教えてもらった理由がズシリと胸に沈む。
「なりたくてなったわけではない、ということですか?」
恐る恐る問うと、バツが悪そうな顔をされる。
「なりたくなかったわけでもないが、まぁそうだ。他に目指していた職業はなく、兄の夢を継ぎたいという気持ちだけでコックピットクルーになった。初めて空を飛んだ時、訓練生の仲間は皆、興奮して楽しそうだった。夢が叶ったと喜んでいたな。俺はその気持ちを味わえない。今でも思う。同じ空を飛んでいても、俺だけ景色がくすんで見えているんだろうと」
どうにもできない欠点だと思っていそうな低い声。パイロットになった時から今までずっと悩んできたのが伝わり、和葉の胸も苦しくなった。
『君のようになりたいと憧れている』
『羨ましいな。バカがつくほど航空機を好きになれるのが』