100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
今後、彼が飛ぶ空も、心も、清々しく晴れますようにと祈っていた。
* * *
忙しかった一月が終わろうかという頃、羽田空港の空には満月が輝いている。
濃紺のパイロットの制服姿の慧は駐機場にいて、ライトを片手に航空機のエンジンやランディングギアの離陸前点検していた。
今日の乗務は二十時五分発のホノルル便だ。
ライトを消して戻ろうとした時、和葉が駆け寄ってきた。
「コックピットのチェックも終わっていますから」
今日の彼女は遅番で二十二時まで仕事だが、この便を担当していたとは知らなかった。
数日顔を見られないと思っていたため、離陸前に会えて嬉しい。
長時間、寒空の下で作業していた和葉の鼻は赤い。
温めるつもりでつまむと、「いひゃい」と鼻声で文句を言われて笑った。
「誰かに見られたらどうするんですか」
イチャついているわけではないのに、人目を気にする和葉の視線は落ち着きがない。
「その文句は、見られて困ることをされてから言え」
ニッと口角を上げて彼女の顎をすくうと、焦り顔で飛びのかれた。
「職場ではダメです。我慢してください」
「頬についている煤を拭いてやろうとしただけだが。なにを我慢しろって?」
からかうと彼女はたちまち耳まで赤くなり、ムキになって反論してくる。
「わざと勘違いさせるようなことをして。慧さんは私にだけ意地悪ですよね。慌てさせて楽しいですか?」
「楽しいな」
* * *
忙しかった一月が終わろうかという頃、羽田空港の空には満月が輝いている。
濃紺のパイロットの制服姿の慧は駐機場にいて、ライトを片手に航空機のエンジンやランディングギアの離陸前点検していた。
今日の乗務は二十時五分発のホノルル便だ。
ライトを消して戻ろうとした時、和葉が駆け寄ってきた。
「コックピットのチェックも終わっていますから」
今日の彼女は遅番で二十二時まで仕事だが、この便を担当していたとは知らなかった。
数日顔を見られないと思っていたため、離陸前に会えて嬉しい。
長時間、寒空の下で作業していた和葉の鼻は赤い。
温めるつもりでつまむと、「いひゃい」と鼻声で文句を言われて笑った。
「誰かに見られたらどうするんですか」
イチャついているわけではないのに、人目を気にする和葉の視線は落ち着きがない。
「その文句は、見られて困ることをされてから言え」
ニッと口角を上げて彼女の顎をすくうと、焦り顔で飛びのかれた。
「職場ではダメです。我慢してください」
「頬についている煤を拭いてやろうとしただけだが。なにを我慢しろって?」
からかうと彼女はたちまち耳まで赤くなり、ムキになって反論してくる。
「わざと勘違いさせるようなことをして。慧さんは私にだけ意地悪ですよね。慌てさせて楽しいですか?」
「楽しいな」