100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
しかしどれだけ褒められようとも自信に繋がらず、自分では〝パイロットの資質に欠ける〟と長年悩み続けてきた。
『Cleared for take off』
管制官から離陸の許可が出され、機体を滑走路に走らせる。
真夏の太陽が輝く快晴の空に、三ノットの微風。好条件が揃ったフライトだ。
タイヤが地面を離れた時、同期入社の副操縦士との昨日の会話をふと思い出した。
『離陸の瞬間が好きなんだ。これから空を飛べると思うと今でも心が躍る。FOに成り立ての頃とそこだけは変わらない。五十嵐は?』
『俺は――』
自分の場合はどうなのかを答えられず、話題を逸らした。
少しも共感できないという本心を明かしたくなかったからだ。
肉体的精神的に限界を感じるまでパイロットを続けるつもりだが、同僚たちのように操縦を楽しめない。
安全に乗客を目的地に運ぶという使命感や責任感があるだけで、空への憧れは少しもなかった。
それが胸に秘めている〝パイロットの資質に欠ける〟という意味だ。
なんの問題もなく既定の航路に入り、眼下に南アルプス山系や富士山が見えてくると、御子柴が軽い口調で話しかけてくる。
「お前と組むのは嫌なんだよ。名前に嵐が入っているせいか大気が不安定になる」
出発前のオフィスで気象庁から出される詳細な天気図は確認済みだ。レーダーにも危険な雨雲の反応はない。
「このフライトで天候の不安はありませんが」
『Cleared for take off』
管制官から離陸の許可が出され、機体を滑走路に走らせる。
真夏の太陽が輝く快晴の空に、三ノットの微風。好条件が揃ったフライトだ。
タイヤが地面を離れた時、同期入社の副操縦士との昨日の会話をふと思い出した。
『離陸の瞬間が好きなんだ。これから空を飛べると思うと今でも心が躍る。FOに成り立ての頃とそこだけは変わらない。五十嵐は?』
『俺は――』
自分の場合はどうなのかを答えられず、話題を逸らした。
少しも共感できないという本心を明かしたくなかったからだ。
肉体的精神的に限界を感じるまでパイロットを続けるつもりだが、同僚たちのように操縦を楽しめない。
安全に乗客を目的地に運ぶという使命感や責任感があるだけで、空への憧れは少しもなかった。
それが胸に秘めている〝パイロットの資質に欠ける〟という意味だ。
なんの問題もなく既定の航路に入り、眼下に南アルプス山系や富士山が見えてくると、御子柴が軽い口調で話しかけてくる。
「お前と組むのは嫌なんだよ。名前に嵐が入っているせいか大気が不安定になる」
出発前のオフィスで気象庁から出される詳細な天気図は確認済みだ。レーダーにも危険な雨雲の反応はない。
「このフライトで天候の不安はありませんが」