100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「モテるとは言っていません。その人だけなので。ほとんどの男性にとって私は恋愛対象外です。パイロットの女性人気が高いのとは違います」
CAから熱視線を注がれる五十嵐と自分は同類ではないと否定して、ふと思う。
「モテたくてパイロットを目指す人もいます?」
平気で和葉に『可愛い』と言える五十嵐は、女性を口説くのに慣れていそうな気がした。
パイロットになったのが不純な動機だったら残念だ。
「いるかもしれないが、邪念しかないやつはエアラインのパイロットにはなれないだろ。資格を取得するまでの道のりは険しいから、きっと耐えられず脱落する」
「それならいいんですけど」
数分おきに聞こえる離着陸音。格納庫のシャッターは開放されており、大空へ飛び立つ航空機を浅見が眺めている。
「飛行機が恋人だという金城の言葉を借りるなら、パイロットの恋人は空だろうな。実を言うと俺、整備は好きだが乗るのは苦手なんだ」
「高所恐怖症ですか?」
「そこまでではないけど、高層ビルのエレベーターもできれば乗りたくない。だから飛ぶことを仕事にしているパイロットはすごいと思う。よほど空が好きなんだろう。好きじゃないと続けられないだろ。俺たちも」
「それは、よくわかります」
不規則な勤務で天候に大きく左右され、人の命を預かっているのが航空業界だ。
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