100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「彼女でもないのに、それはちょっと……。お気持ちだけありがたくいただきます」
これ以上心配されては困るので笑って流し、すぐに話題を変える。
「そういえば、五十嵐さんはどうして日本にいるんですか? 昨日、ホノルル便の乗務だと聞きましたけど」
今日はホノルルステイで復路便が飛ぶのは明日だと思っていた。
それ以降は二日ほどのオフかスタンバイで、しばらく会わないはずだった。
「昨日は桃園便だが」
「台湾ですか?」
台湾桃園国際空港までは三時間半ほどのフライトなので、午前中の便ならステイはなく、日帰りだ。
長距離の国際線のような扱いにはならない。
「誰に聞いた?」
「御子柴キャプテンです」
御子柴が乗務する機体を整備していると、声をかけられた。
『天気図ではハワイの空も快晴だ。今頃、五十嵐は真っ青な空と海を見ながら気持ちよく飛んでいるんだろうな。ああ、向こうは夜だった』
整備中の機体についてならわかるが、なぜ和葉に五十嵐の話をするのかと不思議に思ったのだ。
「御子柴キャプテンの勘違いだったんですね」
「いや、わざと誤情報を伝えたんだろう」
眉根を寄せた五十嵐がため息をついた。
「どうしてですか?」
「会えないと思えば会いたくなる。それが乙女心だ。覚えておけよ」
「はい?」
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