100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
元々銀色のものが一部変色し、高温と圧力によく耐えたというロマンを感じさせる逸品で、二年前のオークションで三万千円で落札した。
(宝物を譲るのは少し惜しいけど、コーパイの五十嵐さんならきっと大事にしてくれる)
忘れていたというのは誕生日プレゼントで、最高の贈り物を思いついた気がしていた。
タービンブレードに頬ずりして別れを惜しんだあとは、使っていないキーホルダーを探した。
それについていた沖縄のゆるキャラのマスコットを外し、代わりにタービンブレードを取りつける。
航空機の小さな部品をキーホルダーやアクセサリーに加工して販売している例もあり、それを参考にした。
(うん、引っ張っても取れない。強度はバッチリ。さあ、渡しにいこう)
リビングに戻るとすでに洗いものは終わっていて、五十嵐がコーヒーカップを片手にソファに座ったところだった。
コーヒーを口にする彼に呆れたような目で見られ、主役に片づけを任せてしまったとバツの悪い思いで横に立つ。
「すみませんでした」
「急いでなにを取りにいったんだ?」
「誕生日プレゼントです。タービンブレードをキーホルダーに加工してみました。ぜひ使ってください」
絶対に喜ぶと期待して差し出したのに受け取ってもらえず、端整な顔の眉間に皺が刻まれた。
「いらない」
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