100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
『パーソナルカラーってご存じですか? お客様のような健康的なイエローベースの肌にはブラウンやカーキがお似合いです。青はブルベ向けなのでやめた方がいいですよ』
『でも、私は青が好きで――』
『絶対にこっち。ほら、よくお似合いです。私、昨年まで有名芸能人のファッションコーディネーターをしていたんです。間違いないですから』
空港では上司に対してもはっきり主張する和葉だが、自信満々な店員には意見できなかった。
ファッションにうとく、洋品店に来るといつもアウェイな気分になるのだ。
それで押し切られて好みではない色のカーディガンを購入し、帰宅してから後悔した。
(やっぱり青がよかった。交換しに行きたいけど、あの店員さんがいたらまた負けそう)
洗面台の鏡の前で新しいカーディガンを羽織ってため息をつくと、すぐ隣の脱衣所の扉が開いてシャワーを浴びた五十嵐が現れた。
この日、彼は夕方からのフライトで、出勤の支度をしていたのはわかるが、上半身が裸のままで出てこられて慌てた。
ほどよい筋肉のついた大胸筋と腹筋があまりにも素敵で目に毒だ。
『悪い。部屋にTシャツを忘れたんだ』
半裸なのを謝った彼は、和葉が新調したカーディガンにすぐ気づいた。
『服を買いに出かけていたのか』
『そうなんですけど、やめておけばよかったです』
『なぜ?』
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