妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「円香、もうわかっただろ? 円香の本音を引き出すために一芝居打ったんだ。最初から円香と別れるつもりも、離れるつもりもなかった」
「お芝居……」

 ようやく事態を飲み込めた円香は、これまで感じていた不安や喪失感から解放されて、一気に体の力が抜けてしまう。その場にへなへなとへたり込みそうになるが、彰史が「円香っ」と慌てて支えて、しっかりと抱きとめてくれた。

「わざと追い詰めるようなことをして悪かった」

 円香はふるふると首を横に振って、彰史の胸に顔を寄せる。彰史のそばにいられるのなら、もう何でもいい。今はただこのぬくもりを感じていたい。

 円香はここが空港であることも忘れて、彰史にしがみつき、安堵から来る涙を流した。
< 180 / 201 >

この作品をシェア

pagetop