妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「円香。俺は君を手放すつもりはない。もう俺と別れるなんて言うなよ?」

 ここまで自分の気持ちを表に出してしまったのだ。もう自分から別れの道を選べるはずがない。円香はしっかりと彰史の目を見つめて「はい」と返す。

 彰史は円香の返事にくすりと笑いをこぼして、円香の頭を軽く一撫でした。

「まったく。どうして変な意地を張るんだか。まさかここまで粘るとは思っていなかった。顔にははっきりと俺と離れたくないと書いてあるくせに」
「えっ」

 円香は慌てて両手を頬にあてて顔を隠す。必死に取り繕って隠していたつもりなのに、そんなに顔に出ていたのだろうか。彰史が気づいていたなんて信じられなくて、窺うような視線を彰史に送れば、彼は度肝を抜く言葉を言い放つ。

「好きな女の気持ちくらい表情を見ればわかる」
「っ!? ええっ!? ……好き?」

 何度もその言葉を頭の中で反芻する。この男は今『好き』と言っただろうか。『好き』とはどういう意味か。いや、この流れでの意味はわかるが、彰史が自分にと考えると円香はどうしても理解ができない。
< 182 / 201 >

この作品をシェア

pagetop