妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「……お父さん、お母さん。我儘、言ってもいいかな?」
「いいよ。何でも言いなさい」
「……私、あの二人に会いたくない。会ったらおかしくなる。家にもまだ戻れない……だから、あとのことをお願いしてもいいですか? 全部終わらせてください。お願いします」
円香は震える声でそう述べた。泣いているからではない。我儘を言うのが怖かったからだ。
当事者の自分が一度も顔を出さないなんて本当はよくないとわかっている。逃げるなんて大人がすることではないと思っている。けれど、どうしても会いたくないのだ。円香に見えないところでもうすべてを終わらせてほしかった。
縋るように父を見つめれば、父は円香の言葉にしっかりと頷いてくれる。
「わかった。円香はもう何も考えなくていい。好きなだけここにいなさい。お父さん、いいですか?」
父の問いかけに孝之助は「ああ」とだけ言って同意してくれる。
円香は、自分の我儘を聞き入れてくれたことに対する感謝の気持ちと、皆を悲しませたことへの謝罪の気持ちから、静かに頭を下げた。
「ありがとうございます……ごめんなさい……」
円香のその言葉に両親は泣いていた。円香の代わりに泣いているのかもしれない。だって円香はもう泣けないのだから。あの日以来一度も泣いていない。すっかり心がすり減って、涙を流す力さえなくしているのだ。
「いいよ。何でも言いなさい」
「……私、あの二人に会いたくない。会ったらおかしくなる。家にもまだ戻れない……だから、あとのことをお願いしてもいいですか? 全部終わらせてください。お願いします」
円香は震える声でそう述べた。泣いているからではない。我儘を言うのが怖かったからだ。
当事者の自分が一度も顔を出さないなんて本当はよくないとわかっている。逃げるなんて大人がすることではないと思っている。けれど、どうしても会いたくないのだ。円香に見えないところでもうすべてを終わらせてほしかった。
縋るように父を見つめれば、父は円香の言葉にしっかりと頷いてくれる。
「わかった。円香はもう何も考えなくていい。好きなだけここにいなさい。お父さん、いいですか?」
父の問いかけに孝之助は「ああ」とだけ言って同意してくれる。
円香は、自分の我儘を聞き入れてくれたことに対する感謝の気持ちと、皆を悲しませたことへの謝罪の気持ちから、静かに頭を下げた。
「ありがとうございます……ごめんなさい……」
円香のその言葉に両親は泣いていた。円香の代わりに泣いているのかもしれない。だって円香はもう泣けないのだから。あの日以来一度も泣いていない。すっかり心がすり減って、涙を流す力さえなくしているのだ。