妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 その後、二人の顔合わせが上手くいったことで、円香は朔也と過ごす時間が増えていった。それは円香が望んでということもあったけれど、やはり両親が麗香のことで時間を取られるせいで、円香を住ノ江家に預けざるを得なかったという面が大きい。

 幼い円香にとっては我慢を強いられる淋しい日々でもあったけれど、住ノ江家の人たちは皆優しかったし、何より朔也が思いきり円香を甘やかしてくれたから、円香は十分な幸せを感じて過ごすことができた。


 しばらくの時が経てば、麗香の病状はよくなり、両親が麗香にかかりきりになることはなくなった。円香が住ノ江家に預けられることも自然となくなっていったが、それでも円香と朔也の仲は変わらなかった。いつか二人は結婚して家族になるのだという意識を互いにずっと持ち続けていた。

 思春期と言われる年頃になってもそれは変わらず、いつまでも仲睦まじい様子の二人に、親たちも次第に二人を許婚の関係と見做すようになっていった。

 そして、円香が高校に入学する頃、双方の親から二人の意思確認が行われ、二人はついに正式に婚約者となったのだ。


 親公認となり、婚約者としての交際が始まった円香と朔也。しかし、結婚するまでは節度のある交際をするよう言いつけられていたから、二人の関係はそれはそれは清く正しいものであった。

 デートは大抵どちらかの家で親同伴で過ごし、外出をしたとしても昼の時間帯に一緒に食事をする程度。触れ合いも軽く手を繋ぐくらいのものだけで抱擁すらしなかった。

 それでも、朔也はいつも円香のことを褒めてくれて、たくさんの贈り物もしてくれて、いつだって円香を甘い気持ちにさせてくれたから、円香は十分すぎるほどに満たされていた。
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