「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 ぽうっと淡い光が漏れ出て、エレオノールとジークハルトの身体を包み込む。

 いったいなにが起きているのかと衆人がざわつくのを見て、シュルーシュカがふたりの姿を大きな翼で隠した。

『ジークは死なないわよね?』

「大丈夫です。死なせません」

 答えながら、エレオノールは不思議な気持ちになっていた。

(ドラゴンも不安になることがあるんだ)

 シュルーシュカによる念話には、明らかに不安と恐怖が入り交じっていた。

 自分よりもずっと恐ろしい存在から感じる人間と同じ感情に、一周回って頭が冷える。

 エレオノールは癒やしの魔法に集中しながら、そっとシュルーシュカに話しかけた。

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