「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 まだリュースは言葉をうまく扱えないのか、ふたりと話そうとはしない。

 ただ、人間の姿でくっつけるのがうれしいらしく、愛らしい顔に満面の笑みを浮かべていた。

 もし今、ドラゴンの姿の時と同じように尻尾があれば、喜びのあまりぶんぶん振っていたはずだ。

「今夜は初夜なんだがな」

 リュースに甘えられてまんざらでもない気持ちが半分、初夜を邪魔されて複雑な心境が半分、といった顔でぼやくジークハルトだったが、不意にリュースが顔を上げた。

「おねえちゃん」

「お姉ちゃん?」

 夫婦が同時に顔を見合わせる。

 ふたりが止める前に駆けていったリュースが、勢いよく窓を開いた。

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