【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
(立ち上がって逃げたら、どんな文句を言われるかわかんない……)

 だから、観念するしかない。

「……というか、みつばは本当になんにも変わらないな」

 ふと、くすっと笑った瑛二くんがそう呟いた。

 言葉の意味が分からなくて、ぽかんとして彼を見つめる。すると、彼の手が私に伸びてきて……腰に回された。

「ひっ」

 驚いて身体を跳ねさせるけど、瑛二くんはお構いなし。私のほうにぐいっと顔を近づけてくる。

 鋭くて、きつい印象を与えてくる瑛二くんの目。それは、今、私だけを射貫いている。

「……そういうところ、ほんと好き」

 だけど、いきなり告げられた言葉に、私はぽかんとする。

(今、瑛二くん、なんて言った……?)

 聞き間違いじゃなければ、「好き」って言ったような……。

 いや、聞き間違いだ。うん、絶対に聞き間違いだ!

「みつばは、昔から可愛い。……ずっと、俺の唯一だから」
「ひぇっ」

 しかし、続けられた言葉に、ドギマギしてしまう。

 なに? 酔ってるの? 瑛二くん、絶対酔ってるでしょ!?

 混乱する私を他所に、私の腰に回された瑛二くんの腕が、私の身体を引き寄せる。ぐいっと引き寄せられて、彼の胸に飛び込む形になって。……心臓が、どんどん駆け足になる。

「か、からかわ、ないで……!」

 私の口から出た声は、自分でも驚くほどに弱々しかった。
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