【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
「怖いことはしない。本気で嫌だって思ったら、みつばには俺を殴る権利も、蹴る権利もある」
「……そ、れは」
「俺は鍛えてるし、みつばくらいの攻撃じゃ大したダメージはもらわない。……ただ、正気に戻るだけ」

 彼がはっきりとそう言う。その言葉を聞いて、考えてみる。

(そもそも、怖いなんて言って、逃げてたらダメ……なん、だよね)

 だったら、もうこの際覚悟を決め……よう。あと、瑛二くんだったら、信頼できる、から。

「……怖い、から。本当に、嫌だったら、殴る、から」
「あぁ」

 私の言葉に、文句も言わずに瑛二くんが頷く。

 私は、少しためらいつつも空いているほうの手で瑛二くんの衣服を握った。

「……じゃ、じゃあ、お願い……します」

 なんだかどう言えばいいかわからなくて、私は悩んだ末にそう言う。

 そうすれば、瑛二くんは笑った。そして――私の唇に、自身の唇を押し当ててくる。

「んっ」

 そうやって、何度か唇を合わせる。

 本当についばむように優しいキスは、瑛二くんのイメージとは全然違う。

(見た目は、女遊び激しいって思われてるのに……)

 私に触れる彼は、何処までも優しかった。キスも、触れる手の動きも……。

(これが、愛されてるってこと……なん、だろうな)

 瑛二くんの仕草や態度は、何処までも私を大切にしているとわかった。

 ……だから、私は。彼を拒否することは、なかった。
< 26 / 55 >

この作品をシェア

pagetop