【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
(瑛二くんは有名人だし、やっぱりこういうほうがいいよね)

 外でのデートっていうのも、悪くはないと思う。ただ、身バレの危険がある以上、注意を払わないとならない。

 それくらいならば、おうちでまったり過ごすほうがいい。

「あ、そうだ。今日ね、午前中に零一くん来たよ」
「うげっ……。ていうか、得意先に行くって言ってたんだけど、兄貴」
「そのついでだって」

 不意に、今日の午前中の出来事を思い出す。たまたま私のお仕事が昼からで、出勤準備をしていたときに零一くんと会ったのだ。

「……兄貴、なんか言ってた?」
「別に、大したことは。瑛二くんが迷惑かけてないかって、聞いてきただけ。……心配性だよねぇ」

 零一くんは、昔からずっと心配性。大雑把な部分のある瑛二くんとは大違い……って。

「そういえばだけど、不審者とか見てないかって、聞かれた」

 変わったことは、それくらいだろうか。天井を見上げつつそう言えば、瑛二くんの表情が曇る。

「みつば。もしも、不審者を見つけたら、俺に即刻電話頂戴」
「え、う、うん、わかった」

 いつもよりも数段真面目な瑛二くんの声に、押されて頷く。

 私を見る瑛二くんの目には、確かな心配の色が宿っていた。
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