日常を返せ!

デスゲームって何?

 それからどれだけ時間が経ったかはわからない。

 何度かチャイムが鳴っていたので、数時間は経ったのだろう。

 それでも動くこともせずジッとしていた。

 コンコン、と誰かが背後の扉をノックする音が聞こえて、わたしは飛び起きて扉から距離をとる。

 後ろを振り向くと、扉の窓から羽間が心配そうにこちらを見ている。

「……なに?」

「あの、新田さんがグループチャットに顔を出してなかったから、心配になって探していたんです。教室に行ったら、朝出て行ったきり戻ってないと聞いて……」

「ああ、ずっとここにいたから」

「どうしてです?」

「周囲が、恐くて……」

 わたしがそう言うと羽間は悲しそうな顔になった。

「ここを開けてくれませんか? 昼休みなので昼食にしましょう。新田さんの分もありますよ」

 羽間はそう言って片手を上げる。

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