御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「瑠衣」
悲しみを必死に耐える私を、隣から葵さんが抱き寄せる。どうしてそうされているのかわからず、慌てて離れようともがいたが、一層強く抱き込まれてしまった。
「あ、葵さん!」
抗議の意味を込めて、彼の腕の中で顔を上げる。
その先でぶつかった双眸には、さっきの鋭さはなくなっていた。
「見つけたんだよ。心から大切にしたい相手を」
熱い眼差しを私に向けながら、ほかの女性への想いを語る。
その矛盾に苦しめられて、胸の痛みが増していく。
「瑠衣だよ」
「え……」
意味がわからず、呆然と彼を見つめる。
「俺が一生、一緒にいたいのは瑠衣だ。非常階段で見つけて以来、俺が瑠衣を守ってやりたいとずっと思っていた」
突然の告白に、目を瞬かせた。
「で、でも。次期社長となるあなたに、親との縁を絶っているような私はふさわしくない」
我に返って反論する。
うれしいはずなのに、臆病な私は素直に受け止めきれそうになかった。
「俺も両親も、瑠衣の家庭環境については承知している。とくに問題視はしていない」
けれど、即座に否定されてしまう。
「私たちは、同じ会社に勤めて――」
「スピード結婚をしておいて、即離婚。おまけに相手が社内の人間となれば、ずいぶんと外聞が悪いな」
誤解は解けつつあるとはいえ、これまでの私の評判はいいとは言い難い。いずれ会社のトップに立つ人の相手が私でいいのか問いかけようとしたところを、葵さんによって遮られてしまった。
悲しみを必死に耐える私を、隣から葵さんが抱き寄せる。どうしてそうされているのかわからず、慌てて離れようともがいたが、一層強く抱き込まれてしまった。
「あ、葵さん!」
抗議の意味を込めて、彼の腕の中で顔を上げる。
その先でぶつかった双眸には、さっきの鋭さはなくなっていた。
「見つけたんだよ。心から大切にしたい相手を」
熱い眼差しを私に向けながら、ほかの女性への想いを語る。
その矛盾に苦しめられて、胸の痛みが増していく。
「瑠衣だよ」
「え……」
意味がわからず、呆然と彼を見つめる。
「俺が一生、一緒にいたいのは瑠衣だ。非常階段で見つけて以来、俺が瑠衣を守ってやりたいとずっと思っていた」
突然の告白に、目を瞬かせた。
「で、でも。次期社長となるあなたに、親との縁を絶っているような私はふさわしくない」
我に返って反論する。
うれしいはずなのに、臆病な私は素直に受け止めきれそうになかった。
「俺も両親も、瑠衣の家庭環境については承知している。とくに問題視はしていない」
けれど、即座に否定されてしまう。
「私たちは、同じ会社に勤めて――」
「スピード結婚をしておいて、即離婚。おまけに相手が社内の人間となれば、ずいぶんと外聞が悪いな」
誤解は解けつつあるとはいえ、これまでの私の評判はいいとは言い難い。いずれ会社のトップに立つ人の相手が私でいいのか問いかけようとしたところを、葵さんによって遮られてしまった。