御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「自分は一生、母の言いなりに生きていくのかと考えたとき、嫌だなって思ったんです」
あの頃の母は、私に固執することで父の裏切りから必死に目を逸らしていたのかもしれない。
私に反抗期が訪れたのは、志望校を決めるときだった。思うように成績が伸びない私に、初めて母が手をあげたのがきっかけで、すべてがどうでもよくなってしまった。
それから私は、言いつけを破って家から遠く離れた大学に勝手に進学した。母とはそのときに決別しており、没交渉になっている。
学生時代に金銭的な手助けをしてくれたのは、父だった。ただ彼はすでに新しい家庭を築いていたため、プライベートな関りはいっさいない。
私の告白を、小早川さんは口を挟まずに聞いていた。
でもその表情は、険しさをどんどん増している。まるで、感情が表に出にくい私の代わりに苦しんでいるように見えた。
「辛かったな」
そのひと言に、目頭が熱くなる。
「ずっとひとりで、耐えてきたんだな」
涙がひと粒、頬を伝っていく。
泣くなんて、一体いつぶりだろうか。
忘れてしまいたい過去を思い出して、らしくもなく感傷的になっているのだろう。
わずかに驚いた顔をした小早川さんは、それでもなにも言わないままでいてくれた。それが彼の優しさなのだと気づき、心がジワリと温かくなる。
あの頃の母は、私に固執することで父の裏切りから必死に目を逸らしていたのかもしれない。
私に反抗期が訪れたのは、志望校を決めるときだった。思うように成績が伸びない私に、初めて母が手をあげたのがきっかけで、すべてがどうでもよくなってしまった。
それから私は、言いつけを破って家から遠く離れた大学に勝手に進学した。母とはそのときに決別しており、没交渉になっている。
学生時代に金銭的な手助けをしてくれたのは、父だった。ただ彼はすでに新しい家庭を築いていたため、プライベートな関りはいっさいない。
私の告白を、小早川さんは口を挟まずに聞いていた。
でもその表情は、険しさをどんどん増している。まるで、感情が表に出にくい私の代わりに苦しんでいるように見えた。
「辛かったな」
そのひと言に、目頭が熱くなる。
「ずっとひとりで、耐えてきたんだな」
涙がひと粒、頬を伝っていく。
泣くなんて、一体いつぶりだろうか。
忘れてしまいたい過去を思い出して、らしくもなく感傷的になっているのだろう。
わずかに驚いた顔をした小早川さんは、それでもなにも言わないままでいてくれた。それが彼の優しさなのだと気づき、心がジワリと温かくなる。