イケメン妻はお飾りの年下夫の愛に囚われる
「きっと、彼にとっては義務なのよね」

 アニエスは叔父と従兄から家を護りたかった。

 ラファエルも異母兄の婚約者や、他の女性達を退けたかった。

「まあ、あんまり私は虫除けにもなっていなかったけど」

 アニエスとの結婚後も、ラファエルに好意を抱く女性は後を絶たなかった。

 ベルフ家の使用人達も、若い女性はこぞってラファエルに近寄ろうとした。

 お陰で本館は年配の女性や男たちばかりになった。

「私って役立たずね」

 アニエスは彼が消えた扉の向こうを黙って見つめた。

 彼は自分との結婚を後悔しているのではないか。

 自分は彼のお陰で家を護ることが出来たが、彼の役にはまったく立っていない。

 子作りの為の義務としてアニエスを抱き、それで納得しているのだろうか。

 そんな時、国王陛下が提案し、ある法律が施行されることになった。

「女性にも特定の条件を満たせば、爵位継承を認める」というものだった。

 来月からその法律が施行されることを知ったアニエスは、ある決意をした。


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