イケメン妻はお飾りの年下夫の愛に囚われる
「違うのですか?」
そう問いかけられ、アニエスは薔薇の痕をラファエルが付けないことに、傷ついていたことを自覚した。
「どうなんですか?」
「……っ」
アニエスは、自分の口を塞ぐラファエルの手の下で唇を動かした。
それに気づいて、彼が手を離した。
「確かに、私とあなたは好きで一緒になったわけじゃないわ。それでもお互いに尊重しあって、うまくやれていると思っていた。でも、それは私の勘違いだったわ」
「勘違い?」
ラファエルが目を細め問いかける。
「私は…妻としてあなたの求める基準に達していない。女として魅力がないのはわかって」
「誰がそんなことを言いましたか」
はらりと落ちた前髪をかき上げ、鬱陶しそうにラファエルが呟いた。
その言い方が気に入らなくて、アニエスはむっとなった。
「私のこと、面倒くさいと思っているんでしょ」
「そんなこと、思っていません。どうしてあなたは…どうしたら離婚を思い止まってくれるのですか」
「だから、離婚することであなたに不利益はないようにするって言っているでしょ」
「たとえ伯爵家の財産すべてをもらったとしても、離婚だけは嫌です」
ラファエルは、どうしても離婚に応じようとしない。
「どうして」
「ああ、もう。そんなの、あなたが好きだからに決まっています」
キレ気味にラファエルが叫ぶ。
「……え?」
その言葉に、彼女は目を大きく見開いた。
「え、い、今…なんて?」
「あなたが僕のことを年下のお飾り夫だとしか思っていなくても、僕はあなたでなければ嫌です」
「ラファエル…今、なんて…あなた、私のこと」
「好きです。僕か痛めつけられていたのを助けてくれた時から、あなたのことを意識していました。一目惚れです。格好良くて、誰よりも努力家でおまけにかわいい」
「か、かわいい…それはちょっと…」
「かわいいです。僕が初めての相手で嬉しかった。イク時の顔も、いつもキリリとしているのに、愛らしくて」
お腹にあたる彼のものが、また硬くなるのを感じる。
「ラファエル…好きって…その」
「僕からの好意は気に入りませんか」
「ち、ちが…そうじゃなくて…」
「あなたは子作りを義務だと思っているから、『薔薇の痕』を付けるのは、申し訳ないと思っていました。でも、あなたが望むなら、いくらでも付けてあげますよ」
そう言って胸元に顔を埋める。チリリとした痛みが走る。それは一度だけでなく、何度も何度も続いた。
胸からお腹、そして太ももの内側まで、痕を付けていくラファエルの頭の動きをぼーっと眺めながら、彼が言った「好き」という言葉を信じられない気持ちで思い返していた。
「アニエス!」
ようやく彼が頭を上げた時、アニエスはボロボロと涙を流していた。それを見てラファエルは驚いた。
そう問いかけられ、アニエスは薔薇の痕をラファエルが付けないことに、傷ついていたことを自覚した。
「どうなんですか?」
「……っ」
アニエスは、自分の口を塞ぐラファエルの手の下で唇を動かした。
それに気づいて、彼が手を離した。
「確かに、私とあなたは好きで一緒になったわけじゃないわ。それでもお互いに尊重しあって、うまくやれていると思っていた。でも、それは私の勘違いだったわ」
「勘違い?」
ラファエルが目を細め問いかける。
「私は…妻としてあなたの求める基準に達していない。女として魅力がないのはわかって」
「誰がそんなことを言いましたか」
はらりと落ちた前髪をかき上げ、鬱陶しそうにラファエルが呟いた。
その言い方が気に入らなくて、アニエスはむっとなった。
「私のこと、面倒くさいと思っているんでしょ」
「そんなこと、思っていません。どうしてあなたは…どうしたら離婚を思い止まってくれるのですか」
「だから、離婚することであなたに不利益はないようにするって言っているでしょ」
「たとえ伯爵家の財産すべてをもらったとしても、離婚だけは嫌です」
ラファエルは、どうしても離婚に応じようとしない。
「どうして」
「ああ、もう。そんなの、あなたが好きだからに決まっています」
キレ気味にラファエルが叫ぶ。
「……え?」
その言葉に、彼女は目を大きく見開いた。
「え、い、今…なんて?」
「あなたが僕のことを年下のお飾り夫だとしか思っていなくても、僕はあなたでなければ嫌です」
「ラファエル…今、なんて…あなた、私のこと」
「好きです。僕か痛めつけられていたのを助けてくれた時から、あなたのことを意識していました。一目惚れです。格好良くて、誰よりも努力家でおまけにかわいい」
「か、かわいい…それはちょっと…」
「かわいいです。僕が初めての相手で嬉しかった。イク時の顔も、いつもキリリとしているのに、愛らしくて」
お腹にあたる彼のものが、また硬くなるのを感じる。
「ラファエル…好きって…その」
「僕からの好意は気に入りませんか」
「ち、ちが…そうじゃなくて…」
「あなたは子作りを義務だと思っているから、『薔薇の痕』を付けるのは、申し訳ないと思っていました。でも、あなたが望むなら、いくらでも付けてあげますよ」
そう言って胸元に顔を埋める。チリリとした痛みが走る。それは一度だけでなく、何度も何度も続いた。
胸からお腹、そして太ももの内側まで、痕を付けていくラファエルの頭の動きをぼーっと眺めながら、彼が言った「好き」という言葉を信じられない気持ちで思い返していた。
「アニエス!」
ようやく彼が頭を上げた時、アニエスはボロボロと涙を流していた。それを見てラファエルは驚いた。