イケメン妻はお飾りの年下夫の愛に囚われる
やがて僕は騎士団に入団した。
騎士になりたかったわけではない。はっきり言って、あの家を出られるなら何でも良かった。
しかし、騎士団と言っても男ばかりではなかった。
ここでも少ないとは言え、女はいた。
女達は僕を見た目で判断し、言い寄ってきた。
そして男たちは、嫉妬で僕をいたぶった。
どこに行っても変わらない。
そんな時だ。アニエス・ベルフのことを知ったのは。
部門の名門ベルフ伯爵家の一子で、その血を受け継いで、彼女自身も腕が立った。
目の覚めるような赤毛と、榛色の瞳をした彼女は、そこら辺の男より凛々しく、女性にも人気があった。
もちろん男の中にも、彼女に憧れる者はたくさんいた。
性格もおおらか、責任感が強く、正義感に溢れていた。
彼女の慕われ方は、僕のものとはまったく違った。
皆の憧れ、目標にしたい相手。手本となるべき存在。
対して僕は、情欲にまみれ、己の虚栄心を満たすための存在。
何もかも自分とは違う。
初めて彼女と挨拶以上の言葉を交わしたのは、僕が異母兄の仲間に寄ってたかって言いがかりをつけられていた時だった。
彼女は颯爽と現れ、奴らを蹴散らしてくれた。
何の見返りもなく。
助けてくれたことで、彼女がそれを恩に着せ、僕に要求したとして、僕はそれでもいいと思った。
彼女になら、従ってもいい。
そんな気持ちになった相手は、彼女が初めてだった。
執着したのは僕の方だ。
気がつけば彼女を探していた。
最初はただの挨拶だけだった。声をかけ、彼女が返してくれるだけで満足だった。
彼女に会えるなら、騎士団での生活も我慢できる。
だが彼女は彼女は年下の自分には、まったく興味がなさそうだった。
騎士になりたかったわけではない。はっきり言って、あの家を出られるなら何でも良かった。
しかし、騎士団と言っても男ばかりではなかった。
ここでも少ないとは言え、女はいた。
女達は僕を見た目で判断し、言い寄ってきた。
そして男たちは、嫉妬で僕をいたぶった。
どこに行っても変わらない。
そんな時だ。アニエス・ベルフのことを知ったのは。
部門の名門ベルフ伯爵家の一子で、その血を受け継いで、彼女自身も腕が立った。
目の覚めるような赤毛と、榛色の瞳をした彼女は、そこら辺の男より凛々しく、女性にも人気があった。
もちろん男の中にも、彼女に憧れる者はたくさんいた。
性格もおおらか、責任感が強く、正義感に溢れていた。
彼女の慕われ方は、僕のものとはまったく違った。
皆の憧れ、目標にしたい相手。手本となるべき存在。
対して僕は、情欲にまみれ、己の虚栄心を満たすための存在。
何もかも自分とは違う。
初めて彼女と挨拶以上の言葉を交わしたのは、僕が異母兄の仲間に寄ってたかって言いがかりをつけられていた時だった。
彼女は颯爽と現れ、奴らを蹴散らしてくれた。
何の見返りもなく。
助けてくれたことで、彼女がそれを恩に着せ、僕に要求したとして、僕はそれでもいいと思った。
彼女になら、従ってもいい。
そんな気持ちになった相手は、彼女が初めてだった。
執着したのは僕の方だ。
気がつけば彼女を探していた。
最初はただの挨拶だけだった。声をかけ、彼女が返してくれるだけで満足だった。
彼女に会えるなら、騎士団での生活も我慢できる。
だが彼女は彼女は年下の自分には、まったく興味がなさそうだった。