強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
「何かご入用なら仰ってくださればついでに買ってきますけど…」
「2階の電球ってあれだろ? 細長いやつ。芹澤が持つには重くてデカいだろーが」
「もしかして気遣ってくれてます?」
「おまえ、細っこいからな。経費で買った電球を落として割られたら堪らん」

電球ひとつで逼迫するほど困ってないですけどね、あなたの会社。
まぁいいか。1度決めたら曲げない社長だ。押し問答しても埒が明かないのは目に見えている。…私に付き合うことであわよくばこの大量の資料から逃れようとしている節もあるけれど。

「行くぞ、芹澤」

張り切って出かけようとする社長に若干呆れつつ、私は2人分のネームプレートの横に、〝外出〟の札を貼った。


一番近い電気屋までは徒歩で向かう。社長は長い足でずんずん歩くから、私は置いていかれないように必死だ。競歩でもしている気分。これはいい運動になるけれど、仮にも重い荷物を持たせまいと着いてきたならそういうところも気を遣ってほしいものだ。

「芹澤さぁ、先週のあれ、本気にしてないだろ」

社長が唐突に話し出す。
先週のあれ…というのは、あれのことですか。あんなことがあっても、特に月曜顔を合わせづらいとかはなかった。だってあまりにおかしな展開すぎて、月曜も社長はやっぱりいつも通りで、夢なんじゃないかとすら思い始めてたから。

もしかして、この話をしたくて着いてきたの?
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