強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
「離してください! 悪ふざけはやめて…――」
「ふざけてないって。俺は大真面目に、おまえを落としにかかってんの」
「っ、…だからそれをやめてくださいって――んっ!?」

突如唇が塞がれ言葉を遮られる。私の涙を止めるための、あの夜以来のキスだ。

社長の魂胆…彼に出張の同行を命じられた時から感じていた嫌な予感。まさにこういうこと!

会社内という制御装置を外れたところでやりたい放題やること!

「…っ、しゃちょ、っ」

一瞬離れて、話す隙も与えられない口付け。力が抜けそうになるのを堪え、腕を押し付けて抵抗する。
あぁ…でもなんだろ、きもちい…――って、バカ!なに翻弄されてるの私のバカ!

「…っ、社長のバカ!」

ほんのわずか、息継ぎのために与えられたキスの間隔に、咄嗟に手のひらを盾にして叫ぶ。
社長は顔の角度を戻し、くくっと破顔する。

「バカとは、初めて言われたな。 俺のキスでそこまで闘争心燃やす女も、初めて」
「何のつもりでこんな、タチが悪いですよ社長!」
「なんで? おまえの気持ちがまだ俺に向いてないからか?」
「そ、それもそうです! 他にもいろいろ、」

そもそも、まだ、なんて言ってしまえるその自信も余裕も意味わからない!

「でも芹澤、気持ちよさそうな顔してたぞ?」
「なっ、…し、してな…――」
「正直にさ、聞いてごらんよ。芹澤の心に、今一番でっかく居座ってるやつは誰なのか。 浮気野郎か、俺か。最近のおまえを翻弄してるのは誰だ?」
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